まずはマイルストーンを置く

Basecampでプロジェクト管理を行うには、プロジェクトを作成したら、何をおいてもまずマイルストーンを置くことです。

プロジェクトのゴールを考え、それに向かってマイルストーンをおいていく。

「この時点で、だいたいこういう状態になっていたいな」

というところを書いていきます。

たとえば、
・開発環境構築完了
・初期版の画面モック作成完了
といった感じ。

私もそうなのですが、マイルストーンがうまく置けないケースが出てきます。
マイルストーンがうまく置けないということは、そこからゴールまでの道筋が分かっていないということ。

なので、無理にマイルストーンを置かずに、「何が分かれば先のマイルストーンが置けるか」を考え、
プロジェクトがもう少し進んだところで、マイルストーンを置く作業を再度行います。

それから、マイルストーンはだいたい週単位でいくつかのマイルストーンがクリアされていくぐらいの粒度に落とします。
そのぐらいの粒度のマイルストーンが置ければ、自分達が歩く道が見えてきます。
(ソフトウェア開発のマイルストーンはほぼ週末におきます。)

要は、ある程度大きな目標から、週単位での目標をはっきりさせるということです。

このあと、TODOリストを作成して、実際のタスクを記述していきます。
週単位の目標が出ると、それに対する作戦もなんとなく見えているものです。

Basecampでのプロジェクト管理の第一歩はだいたいこんなところでしょう。

私もかつてはガントチャートを一生懸命作っていましたが、その際にもだいたい同じような考えをしながら作っていましたね。Basecampはその考え方をそのまま表現できるので、とても楽です。

Domain Driven Design Quickly 日本語版公開

InfoQで、Domain Driven Design Quickly(以降DDDQuickly)の日本語版がInfoQで公開されました。

Domain Driven Design(ドメイン駆動設計) Quickly 日本語版

DDDQuicklyは、Eric EvansのDomain Driven Design(以降DDD)の要約本です。
本家Eric EvansのDDDはすばらしい内容だが、とても難解なので、このような要約本の存在はとてもありがたい。

DDDQuicklyの巻末インタビューでEric Evansも言っていますが、

「DDDはソフトウェア開発の原則」

であり、

「ユーザの業務ドメインに含まれる、難しい問題に注力」

するということです。

この原則はソフトウェアを作るうえでとても大切なことで、こういう原則を守ってこそ、役に立つソフトウェアができるのだとも思っています。
このDDDQuickly翻訳版が出たことで、ユーザのドメインをよく理解し、落とし込むことが上手な日本の開発者が増えるといいですね。

80Pしかないミニ本の翻訳ではありまあすが、この翻訳版の公開は、日本のソフトウェア開発にとってはそれ以上に価値のある出来事だと思います。

Basecamp

プロジェクト管理ツールとして、私たちは37SignalsBasecampを利用しています。
国産ではありませんが、シンプルで非常に有用です。
(もちろん、日本語も使用できます。機能表現は英語ですが、普通に日本の英語教育を受けた人なら理解できるでしょう。)

このBasecamp、もともとは、「プロジェクト管理には、コミュニケーションが大事だ」という考えから、メッセージボードを作るところからはじめた製品です。
その後、マイルストーン、TODOリストなどが追加されました。

このシンプルさがとてもいい。UpComingが2週間ぐらいなのもいい感じです。
長い期間のカレンダーがトップページに出ないのは、「直近のタスクに集中しなさい」というメッセージだと思います。

これでコミュニケーションをとりながら、マイルストーンを決め、TODOをつくり、直近のタスクに集中し、TODOを消しこんでいく。
うまくいかなければ、またコミュニケーションを取って、進む方向を修正する。
規模や内容にもよりますが、今時のさほど大規模でないソフトウェア開発プロジェクトの舵取りとしては、私はこれでよいと思っています。

また、Basecampが主張しているポイントでもある、「プロジェクト管理はコミュニケーション」という点については、本当にそのとおりだと思っています。

重要なのは、コミュニケートして、現場のにおいを嗅いでみること。
そういう考え方をしている人にはとても有用なツールだと思います。

ただ、「ガントチャート至上主義」の人には合わないでしょう。
私が思うに、「ガントチャートが出ないこと」が、このサービスの最高によいところだからです。

ガントチャートを作るのが面倒になってきた人は、一度試してみるのもよいと思います。
ただ、間違っても

「ガントチャートが出ないからMS Projectで作る」

なんてことをしないことが重要ですよ。