本当にアジャイルなプロジェクト

最近自分たちの周りを見ていて思うのですが、開発プロジェクトに現場感覚から遠くはなれた、とんでもない「スピード感」が求められるようになってきていませんか?

「えっ、そんな期間で本当にそれをやるの?」

と思うようなプロジェクトがあちこちで起こっています。中には、自分の身に降りかかってきそうなものもあって、「正直やばい」と思うこともあるんですけどね。

「世の中がせっかちになっている。」
「ビジネスニーズがスピードを求めている。」

なんて一口で言ってしまえば話は簡単なのですが、実はビジネスニーズ以上に、

「速く作ることが可能だと思っている技術者が存在している」

ことが、通常のスピード感を超えた、「超アジャイル」なプロジェクトを生んでいるのではないかと思うのです。

インターネットが普通のインフラになった現在、オープンソースソフトウェア・ミドルウェア・フレームワークといったものが、とても充実してきています。手持ちで不足している部分を既存の技術でうまく埋めていくことで「速くつくることが可能」だということが、分かる人には分かるようになってきています。

先日、とあるベンダーさんにEAIツールのデモをしてもらいました。そこでは、難しい「ファジー・マッチング」のアルゴリズムを、インターネットから探し当てて流用していました。また、それによって難易度の高いデータマッチングを簡単に実現していました。デモ中は涼しい顔で話を聞いていたのですが、実は、

「そうか、探せばそんなものまでインターネットにあるんだ」

とちょっと感心していました。

そんな難易度の高いものもインターネットを探せば発見できて、組み合わせられる世の中になってきています。個別にフォーカスした技術であれば、かなり難しいものでもうまく探せば手に入れられる。探し出せなくても、ベンダーにお金を払えば(払わなくても、うまくすればプリセールスで)、相談できるエンジニアが親身に相談に乗ってくれたりもする。いい時代になったものです。

かつては、アプリケーションで使うような共通的なライブラリは、企業・あるいはエンジニア個人が、「自分たちの武器」として個別に持っていたりしていたものです。また、開発チームも、自分たちの手持ちの武器を元に、まず自分たちでどう作るかを第一の選択にしていたように思います。

今はそうではなくて「いかに見つけて、いかに組み合わせる」ことができるか。結果、「いかに自分たちで作らないようにするか」が勝負の時代になってきているように思います。

「アジャイル開発」というと、XP(エクストリーム・プログラミング)やTDD(テスト駆動開発)といった、「開発手法」を指す場合が多いのですが、本当にアジャイルなプロジェクトを完遂するには、

  • 「見つけること」
  • 「組み合わせること」
  • 「作らないこと」

がとても重要なファクターを占めていると思っています。
また、system-enablersでは、そんなネタを、できれば実践例も含めて提供できればと思っています。

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